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一目千本桜染め
うらにわあとりえでは大河原町と共同で、白石川沿いの一目千本桜から採取した染料を使った「一目千本桜染め」の商品開発に取り組んでいます。
発案は押野知子さん。押野さんは本業はイラストレーターで、大河原町公式キャラクター「さくらっきー」の原作者でもあります。
きれいな花を咲かせる一目千本桜ですが、その管理、保全のために毎年、剪定作業による小枝の伐採作業が行われています。桜の健康管理には欠かせない作業ですが、ここで廃棄されてしまう小枝や幹の有効な利用はできないものか?押野さんは独自に、染め物の開発に取り組みます。
落ちた葉っぱや小枝を集めて自宅に持ち帰り、鍋で煮詰めてみますが……
なかなかうまくいきません。
それでも地道な活動を続け、町と相談し、樹木医の先生などの協力も得て、やっと新鮮な剪定材の入手ができるようになりました。まだ水気の残る、これから花や葉をつけようとする枝には、たくさんの栄養と色素が残っているのです。
地元の園芸業者さんに頼んで、大量の桜の枝がうらにわあとりえに運ばれるようになりました。
毎年2月頃に行われる剪定作業で、一目千本桜の枝が切られます。この中には病気にかかってしまったり、老朽化で折れてしまう部分を安全管理上取り除くことも含まれます。健康な部分は残して、きれいに花を咲かせてもらうのと、少しでも長生きしてもらうことと、とても重要な作業です。
この剪定作業で切られた桜の枝は、その活用方法がなく、仕方なく廃棄処分されていました。
「工芸は自然からいただいたもので作られる」
大河原町に新しい工芸がうまれることになりました。
花芽のついた先端の部分を大きな鍋でぐらぐらと煮出します。最初の液は濁りや不純物があるためそのままでは使えません。
何回も何回も、水を足しながら、煮出しを繰り返していると、透明な色素だけが残ります。
黄色や茶の色素は無くなってしまうのに、最後に赤だけが残るのはなぜでしょう?とても神秘的です!
シルク、麻、木綿など、繊維によっても染まる色は違います。化学染料のようなピンクにはなりません。自然が作り出した自然の色です。染めるたびに違います。木の個性が現れるようです。
2023年の夏には、地元の金ケ瀬中学校の生徒にも体験会をひらきました。
大河原商業高校とのコラボで、イヤリングやピアスを商品開発しました(文化祭、大河原オータムフェスで販売)
うらにわあとりえでは、この「一目千本桜染め」の研究開発を続けています。
現在は押野知子さんと、あとりえのスタッフ、佐藤美佐子が共同で作業にあたっています。
おかげさまで様々なメディア、テレビ等にも掲載、取材され、大河原町の新しい工芸として認知されることとなりました。
残念ながら量産ができない作品ですが、少しでも多くの方にお届けできるように研究を続けます!
作品はうらにわあとりえで販売されていますので、ぜひ手にとって御覧ください。
メディア掲載・取材
TBC東北放送・KHB東日本放送・ミヤギテレビOHバンデス・NHK仙台てれまさ・仙台放送・河北新報社
協力
大河原・大河原町観光物産協会・大河原商業高等学校・柴田農林高等学校(剪定作業)・山家園芸・とんとんの丘もちぶた館・そのほか地域の皆様